府中市は、2008年に『東京都内生活者実感ランキングベスト20』で1位を獲得するなど、住民の満足度が高い自治体として認知されています。
またそれに伴い人口も、この人口減少社会にあって増えています。もちろん2020年からは全国的に人口は減少していきますが、それでも人口減少率で言えば、そこまで悲観的な内容でもないのです。
私は、生まれも育ちも府中市です。高校卒業後、プロのスポーツ選手を目指していましたが、自分の限界を感じ不動産業界へ転身しました。
高度成長期からバブル、そしてバブル崩壊からリーマンショックを不動産業界にいながら体験し、気が付けばすでに40年が経ちます。
そんな府中市を中心とした三多摩地区で、不動産業界にいた経験とこれからの予測から、府中市で家を購入して豊かな暮らしを実現するための方法をお伝え出来たらと思います。
私の紹介はこちらに詳しく掲載されています。
家を購入して豊かな暮らしを実現するとは?
あなたは家を購入することで、どんな暮らしを実現したいですか?
リクルート住まいカンパニーのアンケートによれば、家を購入しようとしたきっかけは以下のようになっています。
順位 | 理由 |
1位 | 子どもや家族のため家を持ちたいと思ったから 40.3% |
2位 | 現在の住居費が高くてもったいないから 28.5% |
3位 | 金利が低く買い時だと思ったから 25.7% |
4位 | 資産を持ちたいと思ったから 19.9% |
5位 | 老後の安心のため住まいを持ちたいと思ったから 16.5% |
人によって理由は様々ではないでしょうか。しかし、すべてに共通するのは「暮らし豊かにすること」です。
ただし家を購入すれば、すべての人が暮らしが豊かになるわけではありません。欠陥住宅に悩まされたり、住宅ローンが支払えなくなってせっかく買った家を手放したり、中には売っても住宅ローンが返しきれず、競売や自己破産になる人もいます。
この暮らしを豊かにする人とそうでない人との差はなんでしょうか?それが今回の記事のメインテーマになります。それではその両者の違いについて見ていきましょう。
違い①:お金の戦略があるか
まずお金についての戦略がしっかりとれているのかどうか、というところです。
収入はこれまでと違って右肩上がりになるような時代ではありません。一方で支出は減っていません。お子様の塾などの教育費、長寿命化による老後支出など、これまでのようなどんぶり勘定だと、いずれ首が回らなくなります。
お金の面で苦労をしないためには、長期的な視点で将来かかるであろう支出をシミュレーションし、収入とのバランスから、無理なく購入できる予算をしっかり把握しておくことです。これをライフプランイングといいます。
それをしていないと、住宅購入時には良かったとしても、お子様の教育費がかかる時期に負担が増えて家計がマイナスになったり、老後のお金が残っていなかったりということが起こり得ます。
不動産業者は、家を売ってはくれますが、あなたの住宅購入後の暮らしについては責任を持ちません。住宅ローンの支払が苦しくなって苦労するのは、あなたやあなたの家族なのです。
住宅購入を考え始めたら、まずはこのライフプランニングからぜひ始めるようにしてください。FP(ファイナンシャルプランナー)に相談していただければ、有料ですが、質の高いライフプランニングサービスを提供してもらえます。
弊社でも無料で同じくらいの質のサービスを提供しています。ぜひご利用ください。
違い②:資産価値を意識しているか
高度成長期やバブル期と違い、今は本当に不動産の格差がでてきているなと、つくづく実感します。資産価値がある不動産もあれば、売りたくても売れない不動産もたくさん出てきています。
資産価値がある不動産を購入できれば、最終的には住宅費用の削減につながります。
例えば、3000万円の住宅が10年後に2500万円で売ることができれば、10年間の住宅支出は500万円で済んだことになります。月に割ると42,000円弱です。
逆に3000万円の住宅が10年後に1500万円でしか売ることができなければ、10年間の住宅支出は1500万円もかかったことになります。月に割ると125,000円になります。
どちらが暮らしを豊かにしていけると思いますか?
一生そこに住むと考える住宅購入でも、何があるか分かりません。これから住宅を購入するときは、将来の資産価値を考えて購入することが、豊かな暮らしを実現する、最大のポイントです。
資産価値があればリセットもしやすい
また資産価値のある家を購入するということは、万が一将来、介護や病気などによって、収入が減ってしまい支払が出来なくなった場合でも、その住宅を売却することで住宅ローンをすべて返済して、生活をやり直すこともできます。
逆に資産価値のない住宅だと、その住宅を売却しても住宅ローンを返済することが出来ずに、借金が残ったり、最悪自己破産もありえます。
資産価値がある住宅を購入するということは、暮らしを豊かにするだけでなく、何かあった時のリスク対策という側面もあるのです。
それでは、どんな住宅に資産価値があるのか、それを説明していきたいと思います。
資産価値は、どこの街に住むかが最も重要
まず広い意味の立地からお話します。
東京カンテイという不動産シンクタンクが公表したものの中に、不動産の資産価値に与える影響を様々な項目で集計をしたところ、不動産の価値はおよそ9割が立地で決まるとのことでした。
そしてその9割のうち、6割が「広い意味での立地」だそうです。広い意味での立地というのは、どの街に住むのかという広い視点での立地になります。
あなたは「消滅可能性都市」という言葉をご存知でしょうか?
消滅可能性都市とはその言葉の通り、「将来無くなってしまう可能性がある自治体」のことです。2015年にその自治体が公表され、2040年には全国896の市区町村がなくなる可能性がると指摘されました。
その中には、東京都の豊島区も入っていて、当時はずいぶん話題になりました。
実際に破綻した都市で有名なのが北海道の夕張市です。財政破綻で2007年に財政再建団体に指定され、今もなお国の管理下に置かれています。
財政が破綻するとどうなるかというのが、この夕張市を見ているとよく分かります。
破綻したということは、債務超過の状態なので、収入よりも支出の方が多い状態です。当然税金を多くしなければいけませんし、公共サービスは削らなければいけません。水道代金も全国で一番高いそうです。
もちろんそんな状況になれば若い世代は街を出ていきます。そしてさらに税収は減ります。残っているのはすぐに街を出ていけない高齢者ばかり。まさに負のサイクルから抜け出せずに今に至ります。
夕張市の現状のついては、こちらの記事も参考にしてください。
なぜこのような話をしたかというと、まさしく街選びを失敗してしまうと、このような状況になってしまう可能性があるからです。夕張市のような状況になる可能性があるのが、全国て896市区町村もあるのです。
そういう意味では、広い意味での立地が資産価値の6割を占めるというのも分かる気がしますね。
幸いここ府中市はそのような可能性は低く、将来の資産価値が残る可能性が高い都市であるといえるのではないでしょうか。
利便性の高い立地を探す
街選びをしたあとは、次は立地です。資産価値の9割のうち、6割が広い意味での立地でした。そして残りの3割がこれからお話しする狭い意味での立地です。
狭い意味での立地のポイントは、「利便性」と「立地適正化計画」です。
利便性はその名の通り、その土地の「生活の便の良さ」です。生活の便の判断基準は人それぞれだと思いますが、多くの人にとって共通するのは駅からの距離です。
特に今は共働きであったり、老後に自動者に乗らなくなるなど、駅近であればあるほど、人が住みたいと思うため、資産価値は上がります。マンションであれば徒歩7分以内、戸建であれば徒歩15分以内を一つの目安にしてください。
もう一点、立地のことをお話するうえで欠かせないのが「立地適正化計画」です。
聞きなれない言葉だと思いますが、これは2014年に政府が都市再生特別措置法を施行し、近い将来にくる人口減少社会の備えとして、自治体に立地適正化計画の策定をするように呼び掛けました。
人口が減ると、今までのように家が点在していると公共サービスの効率が落ちるので、限られた税収で公共サービスを提供できるよう、エリアの線引きをし、公共サービスの効率化を図るものです。
立地適正化計画では、住宅を意図的に集中させる「居住誘導区域」と、会社や店舗などを意図的に集中させる「都市機能誘導区域」のそれぞれのエリアを設定します。
ここで注意が必要なのが、この「居住誘導区域」と「都市機能誘導」はすべてのエリアが該当するのではなく、どちらにも当てはまらないエリアがあるということです。
つまりこの立地適正化計画はエリアの選別です。どちらにも当てはまらないエリアは、将来税収が落ち込んで、地域全体に公共サービスを提供できなくなった時に優先的に削られていくエリアです。
もちろん府中市でもこの立地適正化計画は公表されていて、どこにも当てはまらない区域も存在しています。間違えてもどれにも当てはまらない区域に家を購入するようなことはしないでください。
府中市の立地適正化計画については、こちらを参照ください。
物件を個別に判断していく
予算と立地の選定が終われば、後は個別に物件を見ていきます。それぞれ物件ごとに注意点をお伝えしていきます。
新築マンション
府中市でも新築マンションはいくつかありますが、まずは立地の原則を守って探してください。新築マンションで徒歩7分を超える物件は値さがりのリスクがかなり大きくなります。
その理由の一つに将来の需要と、ここ最近の新築は土地価格や建築費の高騰のため、なるべく価格を抑えるように、グレードや部屋の面積を狭くしています。
よほど立地に競争力があればいいのですが、立地が悪くなってしまうと、中古として売り出したときの競争力がかなり弱いと考えられます。
また「マンションは管理を見て買え」という格言がありますが、新築時は管理内容を確認することができないというリスクもあります。
中古マンション
豊富な物件量があります。またすでに建築されているので、周辺の雰囲気や眺望などを確認することも出来ます。
管理状態についても、プロの手助けは必要ですが、事前に確認できるのも大きなメリットなのではないでしょうか。
新築戸建て
新築マンションと同じく、新築と中古との差が大きいので、特に立地に注意してください。
戸建はマンションにくらべ災害リスクの影響を受けやすいので、水害や液状化などの災害リスクも特に注意するようにしてください。
また新築であってもインスペクション(住宅検査)は是非するようにしましょう。
中古戸建て
掘り出し物が見つかりやすいのメリットがある反面、個別性が強く取り扱い難易度が高いのが中古戸建てです。
中古戸建ての取り扱い実績や経験が豊富な不動産業者を選ぶようにしてください。立地については新築戸建てと同じです。
また築年数に注意が必要です。1981年6月に耐震基準が改正されていますが、木造の場合、現行の耐震基準は2000年6月以降に建築確認を受けた建物です。
1981年6月~2000年6月までの木造戸建ては、耐震診断をすると現行の耐震基準を満たしていないと判定されることも多くあります。
インスペクションも合わせて、不動産業者の担当者とよく確認しながら取引を進めていくようにしましょう。
ポイントを押さえていれば、家を購入して暮らしは豊かになる
色々注意点などを説明してきましたが、これらのポイントを押さえてさえいれば、家を購入して暮らしは豊かになります。
そしてこの住宅購入を成功させるための最後の要素が「不動産業者の担当者」です。いくら知識があってもそれを使うとなると、やはり経験豊富なプロの力が必要になります。
しかし、すべての不動産業者がこれらのポイントを押さえた住宅購入のお手伝いをしてくれるわけではなく、中には売上重視で、買ってはいけないような物件を言葉巧みに売りつけてくる業者もいます。
日本の不動産業界の仕組みを考えると、基本的にはどこの不動産業者から購入できます(新築など一部例外があります)。そして手数料も基本的には変わらないので、「誰から買うか」という視点をぜひ持って下さい。
弊社ではお金の面で、しっかり予算を考えるための「ライフプランニング」や、買ってはいけない物件の見極めなど、顧客が豊かな暮らしを実現することを目標に仲介サービスを提供しています。
これまでの40年のキャリアを思う存分活用していただければと思います。
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