マンション購入時に頭を悩ますのは、新築マンションを買うか中古を買うかということでしょう。どちらを選択するかはあなた次第ですが、ここでは中古マンションに的を絞りたいと思います。
そこで問題となるのが購入時期。新築マンションであれば、購入時期に悩む必要はありません。完成したら入居ですから、おのずと契約時期も決まりますし、契約金額もはっきりと確定します。
ところが中古マンションは違います。ある物件の販売価格が3000万円だったとしても、なかなか売れなければ2700万円になるかもしれません。
また、府中市の平均相場も刻々と変化するので、府中市全体の中古マンション相場の動きにも注意を払う必要があります。
2019年までの府中市の中古マンション価格の推移
2010年の府中市の中古マンションの平均価格は約3100万円でしたが、2015年には3400万円に上昇し、2019年には約3800万円にまで上がっています。
上昇率は約22%です。決して小幅な上昇ではなく、着実にその資産価値も上がっていると見ていいでしょう。
東京都23区との比較
次に東京23区の中古マンション相場を見てみましょう。同じように2010年の中古マンションの平均価格は約4350万円。府中市とは1250万円の開きがありました。
これが2015年は5000万円。そして2019年には5850万円にまで跳ね上がっています。2019年における府中市の中古マンション価格との差は2050万円にも達しています。
東京都内の中古マンション価格の上昇率は約34%にもなり、明らかに23区の上昇率が高いことがわかります。
消費税増税は中古マンション相場にも影響がある?
新築マンション購入時には必ず消費税が10%課されます。しかし、中古マンションの場合は、売主が個人であれば10%の消費税はかかりません。
こう考えると中古マンション相場には、消費税増税は関係なさそうにも見えます。しかし、一概には言い切れない面もあるので注意が必要です。
10%の消費税は新築マンション価格にそのまま反映されますので、表向きの新築マンション価格は上昇傾向になるでしょう。
すると、本来は関係ないはずの中古マンションを売ろうとしているマンションオーナーが「新築マンションの価格が上昇しているな。ということは、私の現宅マンションも、もっと高値で売れるかもしれないな」と考える可能性もあるのです。
もちろんこれは推測ですが、考えられなくもない話でしょう。また、住宅ローン減税の行方にも要注目。消費税がアップされる際に必ず出てくる話なのですが、住宅ローン減税が令和2年12月31日までの入居であれば対象となることから、この期日を目途にマンションの駆け込み購入が発生する可能性はあります。
関連記事『府中市で中古マンションを購入するメリットとデメリット』
今後の府中市の中古マンション相場に影響を与える要素
それでは今後の府中市の中古マンション相場を予測する時に、市場に影響を与える要素について考えてみたいと思います。
日銀の金融政策
「黒田バズーカ」などと騒がれて久しいですが、ここ最近はこうした日銀の話題が表に出てくる機会も減った気がします。
しかし、住宅ローン金利に直結する政策を打ち出す日銀の動きには要注意でしょう。具体的には金融緩和を継続するかどうか、ということになりますが、継続すれば金利は低金利で推移しますし金融緩和政策を転換すれば金利は上昇していくと考えられます。
住宅ローンの低金利
既述しましたが、住宅ローンの低金利状態が継続すれば住宅ローンを組みやすくなるので購入意欲も旺盛なままと思われます。
ただ、現状の低金利はかなり異常な状況ともいえるので、今後の金利動静は常にチェックが必要です。
日本全体がこの異常な低金利に慣れてしまったのが問題なのですが、例えば1990年頃のバブルの当時の住宅金融公庫の貸出金利は8%前後だった時代もあるのです。
いまでは考えられない水準ですが、30年ほど前にこういう時代があったということは、今後も同水準に戻る可能性も十分にあると言えるでしょう。
人口減少や家余り
中古マンション相場に影響を与える要因は他にもあります。日本全体が抱える人口減少と家余り。この2つの問題を論ぜずには相場論を展開はできません。
では、府中市の人口動態はどう予測されているのか。総務省 国勢調査及び国立社会保障・人口問題研究所 将来推計人口、総務省 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査を見てみましょう。
この統計によると、2025年の264,627人をピークに人工減少に変わり、2045年には255,272人まで落ち込むとされています。減少率としては3.5%にも達します。
こういった状況下は、中古マンションの相場にとっては下落圧力となりそうです。
また、人口が減少するだけではなく、平均年齢の上昇によって長い住宅ローンを組める層が減ることも予想され、それが購買意欲の減退につながる懸念もあります。
また、無視できないのが空き家問題。世帯数の減少に加えて高齢者の他界によって家が余ってきます。つまりは中古物件が増えるわけですが、これは戸建てとマンションともに増えてきます。
このような府中市内のマンション余り現象が、中古マンションの相場を押し下げる可能性は考えられます。
オリンピック後は中古マンション相場は下がる?
この問題は数年前からあちらこちらで議論されているテーマと言えます。まだまだ先と思っていたオリンピックも、すでに開催まで1年を切ってきましたが、そろそろこの問題に真剣な対応が求められる時期に差し掛かってきました。
結論を先に述べたいのですが、都心部の中古マンション(特にタワーマンション)の値崩れは避けられないと私は予想しています。オリンピックまでは外国からお金も人も集まってくるのですが、お祭り終了後にはこれらの動きが鈍くなるでしょう。これだけ考えても価格低下が想定されます。
また、なかなか気づきにくいのが、外国人が投資用に購入した都心のタワーマンション。東京オリンピック開催が決定した直後に外国人投資家が目を付けたのです。ちょうど2013年、2014年ころがピークだったのですが、この売却益にかかる税金が購入後5年以上経過すると半分になるのです。
つまり、今がそのギリギリのタイミングで、すでに値崩れが起き始めているのはこれが影響していると考えられます。
府中市の中古マンション相場は比較的安定している
都心の状況は値崩れをすでに起こし始めているのですが、府中市の中古マンション市場はどうでしょう。
実は府中市の中古マンション市場は比較的安定しています。都心のタワーマンションの値崩れが始まっていると書きましたが、そもそも外国人が投資するのは東京23区を中心としたマンションがメインです。
それに対して府中市のマンションに投資した外国人よりも実際に購入者が住む目的で購入していることが多いです。
つまり、オリンピックを控えたタイミングで、外国人が売り急いでいる可能性は低いのです。だから、値崩れを起こすようなことはないと考えられ、府中市の中古マンション相場は比較的安定していると言えます。
相場はあくまで目安にしかならない
まず相場というのは、あくまですべての中古マンションの平均であって、個別で見ると今後は差がついてくると予想されます。
これからの不動産は3つに分かれていくといわれています。
まず上位15%の不動産が値上がり、もしくは現状維持。そして下位15%が売りたくても売れない「負」動産。そして残りの7割がダラダラ値を下げるといわれています。
ダラダラ値を下げる中古マンションは、価格の下げ幅でも差がつくと考えられます。
つまり今後は、相場を意識するのはもちろんのこと、それとは別に個別で判断していく必要があるのです。
関連記事:『府中市で資産価値が落ちない中古マンションの選び方、5つのポイント』
最終的には個別で判断していく
ただ、不動産相場を完全に予測するのは不可能で、ここまで書いたことも、諸状況から推測したうえでの話にすぎません。
東京オリンピック以降は価格下落が起こると言われて久しいのですが、2025年の大阪万博決定したことを受けて「職人不足が依然として継続するし資材不足も発生するのでマンション相場は意外に崩れない」という見立ても出てきました。
ですから、最終的には個別で判断してもらうしかありません。府中市の全体相場を横目で睨みつつ、あなたが狙う物件を個別に判断していくこと重要なのではないでしょうか。
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