府中市で中古マンションを探すうえで、古い物件だとどれくらい寿命があるのか、築年数によっては気になるかもしれません。
マンションの寿命はずばり、コンクリートの質や立地条件、そして管理状況によって変わってきます。その理由や基準などをこの記事では説明していきます。
築年数の古い中古マンションを探していて、不安を感じる方はぜひ一読してください。この記事を読むことで、中古マンションを探すときの築年数や寿命の長い物件の特徴なども分かるようになります。
コンクリートの寿命は100年?
現代は「人生100年時代」とも言われています。100年生きるためには100年間の住まいを見つけなければいけません。マンションもその選択肢のひとつです。ではマンションの主要な材料であるコンクリートの寿命はどれくらいでしょうか。
寿命はかぶり厚さで決まる
鉄筋を包むコンクリートの厚さを「かぶり厚さ」と言います。このかぶり厚さが大きいほど物理的な耐用年数が伸びるのです。
コンクリートは徐々に外側から中性化していきます。中性化すると空気を通すようになり、やがて鉄筋の強度が弱くなるのです。
したがってかぶり厚さが厚いほど中心部まで中性化するのに時間がかかり、鉄筋コンクリートの寿命が延びていきます。
かぶり厚さ4センチで100年もの長寿命も
コンクリートの品質にもよりますが、かぶり厚さ3センチで65年、4センチで100年の耐用年数になります。
打ちっぱなしコンクリートでは風雨にさらされることからここまでの長寿命は実現できません。表面をコーティングしたり、化粧モルタルをしたりすれば100年の寿命も夢ではありません。
鉄筋コンクリート造の建物の法定耐用年数は50年
税金や会計で使われる法定耐用年数は鉄筋コンクリート造の建物は50年です。短いと30年程度で取り壊されてしまう建物もある中、この50年の耐用年数は少々長く感じられます。
実は短い期間で取り壊されてしまう建物はコンクリートの寿命が原因ではなく、設備の陳腐化、耐震性がないなどの他の原因がほとんどです。コンクリートの劣化が原因だとそれは即立ち入り禁止レベルの事故になります。取り壊される建物でコンクリートの劣化を原因とする建物はほとんどないのです。
中古マンションの寿命はコンクリートの質による
府中市内のマンションの多くは鉄筋コンクリート造です。つまりマンションの材料の大部分はコンクリートになります。
コンクリートにも品質のよしあしがあり、品質によってもマンションの寿命は変わってきます。かつては品質の悪いコンクリートや施工不良が横行した時代もありました。ここではコンクリートの質と平均築年数について見ていきます。
コンクリートの品質が悪い時期もあった
最近では施工管理が徹底しているため国内での施工不良は少なくなりました。ただ、かつては「シャブコン」といって規定以上に水で薄めたコンクリートが使われることもあったのです。
生コンクリートの流動性がよくなるためシャブコンは施工しやすくなります。ただし、耐久性は劣ってしまいます。また、コンクリートを生成する際に山砂でなく、塩分の残った海砂を使うこともありました。
塩分が残っているとコンクリートのアルカリ性がなくなり、これまた耐久性がなくなってしまうのです。現在ではこうした施工不良は少なくなっています。ただ、かつては日本でもこうしたことが行なわれていたのです。
平均30年から40年で建て替え
「マンション建替え寿命」なるデータを東京カンテイが2014年7月に発表しました。東京カンテイはマンションの様々なデータを調査、公開しています。
その公表されたデータによると、建て替えが行なわれたマンションの平均築年数は約33年とのことです。これは建て替えが行なわれたマンションの平均築年数を調べたら33年だったということに過ぎません。
33年でマンションの寿命が来る、というわけではありません。マンションの中には築50年を超えるマンションも存在するくらいです。こうしたデータは前提条件をしっかり確認することが大事になります。
中古マンションの寿命は管理状態による
中古マンションの寿命は管理状態によって左右されます。マンションを管理するのは管理会社です。「マンションは管理を買え」といわれるくらい管理が大事になります。
管理会社もそこは心得ていてしっかりした管理を行います。ここではマンションの寿命を左右する管理会社のチェックポイントを紹介します。内覧に行った際には部屋だけでなく、共用部分や外壁もしっかりとチェックしましょう。
管理会社を確認しよう
府中市でも多くのマンションの管理を行なっているのは管理会社です。この管理会社には、独立系とそのマンションを建築した業者の関連会社の場合があります。
独立系は管理しているマンションの棟数が多く、独自のノウハウがあります。建築会社の関連会社は、そのマンションの細かい部分までしっかり把握しています。いずれも一長一短があります。まずはマンションの管理会社の確認から始めましょう。
建物の状態を見よう
マンションの内覧は主に部屋の中を見ることになります。ですが、内覧に行ったら部屋だけでなく建物の外観も見ましょう。
外壁にヒビが入っていたり、共用部分が傷んでいたりするのは悪い兆候です。逆に築年数よりも新しく感じるようなマンションは管理が行き届いていると考えてよいでしょう。
掲示板を見よう
建物自体だけでなく、管理状態がわかる場所が他にもあります。まずは掲示板です。お知らせや案内、注意書きなどが掲示されています。この掲示板が乱雑だったり、古い掲示がいつまでも貼られていたりするのはあまり感心しません。
また、注意書きの内容も見てみましょう。今そのマンションで問題になっていることを読み取ることができます。掲示板は情報の宝庫なのです。
清掃の状態も確認
玄関や廊下、外の植栽にも注意を払いましょう。管理の行き届いているマンションは清掃もきちんとされています。逆にホコリがたまっていたり、天井にクモの巣が張っていたりするマンションはおすすめできません。清掃業務は建物管理の基本です。こうしたところに管理会社の姿勢がみてとれます。
重要事項に係わる調査報告書を見よう
重要事項に係る調査報告書とは、管理会社が発行するそのマンションに係わる重要事項が記載された書面です。修繕積立金の金額、滞納金の有無、修繕の履歴等が記載されています。これがあれば、適切に修繕がされているか書面で確認することができます。
こうした情報は管理会社でしかわかりません。取引がある場合、仲介業者は管理会社に請求しています。多くの場合は取引の際に契約書と一緒に仲介業者から交付されるものです。契約書と一緒に保管せず、まずは報告書の内容を確認しましょう。
関連記事「府中市の中古マンションを購入する際に必要な内覧時のチェックリスト」
沿岸部と内陸部の中古マンションの寿命は変わる
沿岸部と内陸部の違いはどこにあるでしょうか。それは海が近くにあるかどうかです。塩害はマンションにとってあなどることのできない大敵になります。
塩害によってマンションの寿命は沿岸部では短くなってしまうのです。府中市は内陸部になりますが、普段あまりなじみのない塩害について勉強しましょう。
沿岸部特有の条件
港町や海水浴場に行くと潮の香りがします。行楽であればこの香りが情緒を高めてくれるのですが、マンションには大敵です。沿岸部は海から塩分を含んだ風が吹いてきます。この塩分がマンションのコンクリートを傷めるのです。台風時の強風はもちろん、普段吹いている風にも塩分は含まれています。塩害には注意が必要です。
塩害をあなどるなかれ
沿岸部では車やバイクも劣化が早いといわれます。これも海水の塩分が原因です。塩分は酸性のため、アルカリ性のコンクリートを中性化してしまいます。これがコンクリート劣化の原因なのです。
塩害をあなどることはできません。コンクリート以外にも金属製品も腐食が早まるのです。マンションのバルコニーの手すり、メンテナンスボックス、エレベーターなど金属を使用している部分は数多くあります。こうしたものすべてが塩害に遭ってしまうのです。
海から離れていても塩害はある
塩害の被害にあうのは海辺に建つリゾートマンションくらいだ、と思うかもしれません。ですがそれは間違いです。
風は数キロ先まで塩分を運びます。マンションから海が見えない場所であっても塩害は発生するのです。そのマンションがある市町村が海に面している場合は大なり小なりの影響は受けています。塩害によって沿岸部と内陸部ではマンションの寿命が変わってくるのです。
府中市の中古マンションを購入するときの寿命は?
2019年11月時点でアットホームに掲載されていた府中市内の中古マンションの築年数は以下の通りです。
築10年以内 | 52件 |
築11年から築20年以内 | 158件 |
築21年から築30年以内 | 108件 |
築31年から築40年以内 | 79件 |
築40年以上 | 92件 |
計 | 489件 |
築40年以上の中古マンションが全体の2割にものぼります。また今後は時間がより経ってくると古い物件が増えていきます。
ただこれまでに説明してきたように、中古マンションの寿命は管理状態によって大きくかわります。またコンクリートのかぶりの厚さなどは、建築図面に載っているので、不安があれば確認してもらえるように不動産仲介業者に依頼するようにしましょう。
関連記事「府中市内で中古マンションを購入するときに築年数の注意点は?」
まとめ
府中市の中古マンションの寿命についてのまとめになります。
- 中古マンションの寿命=コンクリートの寿命
- コンクリートの寿命はかぶりの厚さによる
- かぶりの厚さが4センチでもコンクリートの寿命は100年以上に
- しっかり管理されていることが重要
- 亀裂から雨水が入り込んでしまっているマンションには要注意
- 沿岸部は塩害により寿命が短くなりやすい
ぜひこれらのポイントを参考にしながら、長持ちしそうな中古マンションを選ぶようにしてください。
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