住宅ローンを借りる時に、手持ちの現金を使わずに全てローンでまかないたいという方は近年とても増えています。これには住宅ローンの低金利化や、諸費用込みの住宅ローン(以下フルローン)を多くの銀行が扱うようになったことが理由でもあります。
自己資金を使わずに自宅の購入を進めることができるので、とても便利ですがもちろんデメリットとなる部分もあります。こちらでは、府中市で諸費用まで含めたフルローンを組む場合の注意点をお伝えしていきます。
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住宅ローンで諸費用まで借りられる?
住宅ローンというのは元々住宅購入費用のためのローンです。そもそも住宅本体の価格以外の費用を含めることはできるのでしょうか。府中市で住宅ローンを組む場合、諸費用まで含めたフルローンを組むことはできるのでしょうか。こちらで解説していきます。
ひと昔前では頭金2割という言葉が世間に出回っていたため、住宅ローン8割に自己資金2割という考え方が浸透していました。
これは新築物件の評価額がすぐに8割程度になってしまうといわれていたことや、現在の住宅金融支援機構(以前の住宅金融公庫)から借入をする場合に自己資金が2割必要となったことなどが原因といわれています。
しかし現在では多くの金融機関においてフルローンを扱っています。大手都市銀行から地方銀行、そして信用金庫やネット銀行といった様々な金融機関で対応していますので、府中市でフルローンを組む場合も多くの選択肢の中から選ぶことができます。
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諸費用まで借りるときの3つの注意点
できれば自己資金を使いたくない。その分を将来の暮らしのためにとっておきたい。そんな時に諸費用を含めたフルローンはとても強い味方になります。しかし反面でデメリットとなる部分もあります。こちらでしっかりと押さえておきましょう。
審査が厳しくなる
通常の、住宅価格のみの住宅ローンと諸費用込みのフルローンとでは、金融機関の審査が変わってきます。フルローンの場合は基本的に審査が厳しくなる傾向にあります。その理由を説明していきます。
金融機関の審査で見られる大きなポイントは、返済能力です。住宅ローンを借り入れする人が、将来にわたってしっかり返済ができるのかどうかを金融機関はみています。
しかしフルローンの場合、自己資金が全くない、つまり貯蓄計画ができていないと見なされてしまいます。すると金融機関からは将来計画的な返済ができないかもしれないと判断されてしまうこともあります。
また、返済能力の判断基準となる返済比率に引っかかってしまう可能性も高くなります。
返済比率というのは年収に対する年間の返済金額の割合のことを指すのですが、フルローンにすることで借入金額が増えると、当然年間の返済金額も大きくなります。そうなると金融機関の基準となる返済比率を超えてしまう確率が高くなります。
金融機関の基準となる返済比率は各金融機関によって違いますが、通常35%~40%のところが多いです。
返済比率を超えてしまうと、原則住宅ローンの審査はおりません。そのため通常の住宅ローンよりも審査が厳しくなるのです。
金利が高くなることも
フルローンの影響は金利にも出ることがあります。これは金融機関から見た借入者に対してのリスクが関係してきます。
金融機関の金利は借入する人に対してのリスクによって変動します。
もちろん長い期間や大きい金額のほうが金融機関のリスクは高くなりますし、返済能力の高い人に貸し出すのと、返済能力が低い人に貸し出す場合においてもリスクは大きく変わります。
そのためフルローンで借入する場合は、後者の返済能力が低い人とみなされてしまい金利が高くなってしまうことがあるのです。
資産状況がマイナスになることも
マンションや住宅は新築で購入すると、すぐに資産価値が2割近く目減りするといわれています。特に新築マンションにおいては販売価格に広告費や宣伝費などが大きく含まれており、資産価値以上の価格で販売されています。
つまりフルローンで新築マンションを購入すると、購入してすぐに不動産の価値が2割ほど下がり、フルローンでの借り入れ金額と不動産の価値の間で大きな差ができてしまいます。
これはどういうことかというと、数年後もし自宅を売却する際にローンの金額が売却価格を上回ることになります。
そうなるともし自宅を売却できても住宅ローンの残債を消すことができず、手持ち資金から支払うことになってしまいます。結果として資産状況がマイナスの状態になってしまったかたちです。
府中市においても駅前の土地価格は上昇傾向にありますが、郊外エリアでの戸建やマンションの着工件数は減少しています。
そのため駅前の立地のいい場所以外のエリアでは資産状況がマイナスになってしまう可能性が高くなります。
現金をあえて残しておくという戦略はあり
フルローンの最大の魅力は、手持ち資金を使わなくて済むというところになります。この場合、手元に残った資金は将来の資金として回せますし、いざという時のための現金として暮らしを豊かにします。
今の時代、終身雇用が約束されているわけではありません。急なリストラや病気、事故やけがなどによって収入がなくなることも十分にあります。
そういった時にすぐ手元に現金がある状況は、心にやすらぎを生みます。
もちろん自己資金を投入することで借入に関する負担は減りますが、何が起こるかわからないリスクに備えて現金を残しておくという考え方もありだと思います。
ただ自己資金がないからというのは要注意
フルローンでのメリットももちろんありますが、ただ自己資金がないからといって安易にフルローンにしてしまうのはやめたほうがいいでしょう。
たしかにフルローンを組めば現金を減らさずに済みますが、上記でお話したようにデメリットもあります。
そのため自己資金がないから、全てローンで組めばいいという安易な考え方はとても危険です。
もし返済比率の範囲内におさまり、金融機関から希望通りの金額の承認がおりたとしても、将来のライフプランをよく考えて借入をしなければなりません。
フルローンですと手持ちの現金が減らないので、気が大きくなってしまい借入限度額まで借入をしてしまう方も多くいらっしゃいます。そうして5年後、10年後に子供の教育資金や車のローンといった支払いが重なり苦しい生活を送っている話もよく聞きます。
自己資金を用意する時間をとるのか、フルローンで組むのかはご自身の今後のライフプランと資金計画をよく考えてから決めていくのがいいでしょう。
お金の戦略をもって住宅ローンを借りよう
住宅ローンの借り方は様々な方法があります。その中でご自身の現在の状況、そしてこれからのライフプランをよく考えてから決めていきましょう。
各金融機関によってもちろん条件や金利等住宅ローン商品は違います。また、その地域の金融機関ごとに特別な商品があったり、他にはない要件があったりもします。
府中市においても都市銀行、地方銀行、そして信用金庫など様々な金融機関が店舗を構えており、ご自身で全ての金融機関をまわり情報を集めるのは一苦労となります。
また、将来の資金計画はとても重要ですが、自分一人で悩んで全て決めるのはとても大変です。
そういう時はライフプランニング、そして住宅ローンに詳しい不動産エージェントに相談し、あなたにあった最適の住宅ローンの組み方を聞きながら進めることで、失敗なく安心してお住まいの購入を進めていくことができます。
ネットにある情報は無数にありますが、その中からきちんとした正しい情報をあなたの代わりに集めて教えてくれる、そんな信頼できるエージェントを見つけることで豊かな暮らしを実現していきましょう。
まとめ
最後に府中市で住宅ローンで諸費用まで借りる時の注意点についてまとめておきます。
- 現代は住宅ローンで諸費用まで借りやすい時代
- その分、審査は厳しくなり、金利が高くなることも
- 資産状況はマイナス’「債務超過」になるリスクがある
- あえて現金を残しておくという戦略はあり
- ライフプランニングでお金の戦略をもって借りることが肝要
これらのポイントを押さえて、諸費用を住宅ローンで借りるかどうかの判断のお役に立てていただければと思います。
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