日本では、「マンションを買うなら絶対新築だよね!」という新築派の方、まだまだ多いようです。
逆に欧米では、新築マンションはリスクが高い物件として捉えられ、中古の方が人気があります。
ただ、日本でも2016年に、首都圏の中古マンションの成約数が新築マンションの供給戸数を上回る逆転現象がおこりました。下のグラフはその時のニュースでよく取り上げられたものです。
(画像出典:LIFULL HOME’S)
しかも、この現象は2016年以降も続いています。そしてここ最近の新築マンションは結論から申し上げて、買ってはいいと思える物件が非常に少ないのが正直なところです。
そこでこの記事では、府中市の買ってはいけない新築マンションについて考えていきたいと思います。
価格が上がり過ぎた新築マンション
まず、一番にあげられるのは「価格の高騰」でしょう。
このグラフは、新築マンションの平均価格の推移をあらわしたものです。
平成30年(2018年)には、首都圏の新築マンションの価格は5,871万円となっています。一般の家庭にとって手が届かない価格水準になったとニュースでも取り上げられました。
これに対して、サラリーマンの平均年収は441万円(国税庁:平成30年分民間給与実態統計調査)です。新築マンションは、なんと年収の約13.3倍になります。
一般に適正な住宅購入価格は年収の5から7倍といわれており、とても普通には手が届かない価格になったといえます。
都内でも売れ残りが見られるように
最近、あなたの周りで建築されたマンションで、完成後いつまでも棟内モデルルームや販売中の垂れ幕がかかったままの物件を見かけませんか?
実は、新築マンションの売れ行きはあまり芳しくないのです。
(画像出典:三菱地所レジデンス 住まいのガイドより)
上のグラフは、首都圏の新築マンションの契約率の10年間の推移を表したものです。
青色の折れ線グラフが「初月契約率」のデータになります。マスコミでも「売れ行きのバロメーター」としてよく取り上げられるものです。「70%が好不調の分かれ目」といわれています。
その初月契約率は2016年からずっと70%を割り込んでいます。売れ残っているということですね。つまり、価格が高すぎて売れないという現象が起きているのです。
新築マンションが売れ残っているのに、価格の下落が目につかないのは、新築マンションを供給するデベロッパーが財閥系や大手に限られてきている業界の現状があるからです。
大手では多少の完成在庫(売れ残り)を抱えてもビクともしませんし、ホテルやオフィスビルなどの他の事業が堅調でマンションの不振をカバーできるからです。
新築マンションの競争力そのものが低い
確かに、新築マンションは設備や建物自体が新品で気持ちがいいです。しかし、あなたが購入した途端に新築マンションも中古マンションに仲間入りします。
中古マンションは取引相場が目安となって価格が決まります。取引相場とは、買い手と売り手が合意(相対取引)した価格の平均値です。高くても買いたいという人を多く集められるマンションは人気があるので競争力が高いです。
そして、マンションの競争力は、「立地」と「建物の状態」(建物のグレード、維持管理状況)によって決まります。
「立地」とは、駅から近いや、買い物などの利便性の高さをいいます。立地が良いと、民間初の分譲マンション「四谷コーポラス」(1956(昭和31)年築)のように「ビンテージマンション」といわれたりします。
昨今の新築マンションの立地は、そこまで良いものはありません。話題の東京オリンピックの選手村あとの「HARUMI FLAG」などはクエッションマークが付くマンションといえますね。
立地の良い場所にはすでにマンションが建っていますし、良い立地の土地がでてきても、ホテルやオフィスビルにとられてしまうからです。
また、建物のグレードも、昨今の新築マンションは抑えられる傾向にあります。それは、土地代、建築費の高騰により分譲価格をおさえるため、広さやグレードで調整せざるを得ないからです。
以上のことから、一昔前の良質な中古マンションと比べると新築マンションは競争力が低いといえるでしょう。
買った時と将来売る時の価格差が大きい
あなたは、新築マンションは「資産価値が高いから価格も高い」と思っていませんか?
資産価値とは、一般的には将来(いざとなったら)売ることができることと捉えられています。しかし、もっというと「買った時と売った時の差が小さい」ものの方が資産価値が高いといえるのではないでしょうか?
これをリセールバリューといいます。資産家の方が高級車や高級腕時計を購入されるのは、ステイタスだけでなく、リセールバリューを重視しているからだといわれます。
上のグラフは、様々なサイトで取り上げられているものです。
マンションは、新築時が一番高く、5年以内まで急激に下落(2〜3割)し、それ以降ダラダラと右肩下がり下落し、15〜20年後で下げ止まる(5〜6割)ことが見てとれます。
なぜ、5年以内に価格が急激に下がるのかと言いますと、新築マンションの価格の決まり方に原因があります。
それは、新築マンションの価格=土地の価格(購入価格)+建築費(建物の価格)+デベロッパーの利益(販売経費を含む)であるのに対し、中古マンションの価格=土地の価格(相場)+建物の価格(相場)によって決まるからです。
新築時のデベロッパーの利益がマンションの価格から消えてしまうことを「新築プレミアム」といいます。
また、リセールバリューの観点から中古マンションは15〜20年のマンションが狙い目などといわれます。
需要があり管理組合の状況が優良な中古マンションが狙い目
さて、マンションの競争力は「立地」と「建物の状態」で決まるといいましたね。
実は、「建物の状態」は維持管理の上手い下手で大きく変わります。つまり、マンションの住民による管理=管理組合の状況によります。
新築マンションでは、入居が始まってみないと管理組合の運営がどのようになるのかわかりません。このことが欧米人が「新築がリスクが高い」として敬遠する理由です。
中古マンションなら、それまでの修繕履歴、長期修繕計画の有無、大規模修繕の履歴、修繕積立金の積立残高、及び修繕積立金の滞納状況などがわかります。
結論として、マンションを購入するなら、需要があり(立地の良い)、管理組合の状況が優良な中古マンションが狙い目です。
ただし、どの物件が狙い目のマンションに該当するのかを見極めるのは、あなたお一人ではハードルが高いです。
地元情報に精通し、マンション取引実績が豊富な信頼できるエイジェントをパートナーにすることがオススメです。
参考になったら「いいね」をお願いします。