中古マンションを購入する際に、好きなようにリノベーションすることを想定して購入される人も多いですよね。
その際に悩むのが、リノベーション業者をどこに頼んで、どのように手続きを進めればいいのかという点です。
不動産会社で物件を探しながら、リノベーション業者を探すのも一苦労ですよね。
近年そういう方に向けて、物件探しからリノベーション工事までを一括して行う「ワンストップサービス」型の業者が人気を集めています。
購入者にとってはとても楽に手続きを進めることができるのが良い点ですが、気を付けないと予想外に費用がかかってしまったり、将来売却時に損してしまう可能性もあります。
こちらでは今注目を集める「ワンストップサービス」のメリットや注意点についてご説明していきます。
中古マンションを購入してリノベーションが人気の理由
中古マンションを購入して、リノベーションをするという選択が人気を集めているのには、3つの理由があります。
- 新築至上主義が薄れてきた
- 環境への取り組みが重視されてきている
- 将来の暮らし方に対する変化
日本では昔から、新しい家が良いという「新築至上主義」が強く、多くの人が新築を当然のように選んでいました。
しかし近年の人口減少や超高齢化社会により、「住宅を持つこと」だけではなく、「快適に暮らせる家」という意識で住まい選びがされるようになってきました。
また、省エネや循環型社会への取り組みなどから「持続可能な社会」への意識も強まってきています。これにより古いものからいかに価値を生み出せるかという点が重視されてきているのも理由の一つです。
家族構成や暮らし方の変化も大きく、昔のように核家族で父親が働き母親が専業主婦という暮らし方も変わってきています。共働きや親世代との近居等、ライフスタイルの変化によって家の個性や価値を重要視する人が増えてきたのも、中古リノベーションが注目を集めるきっかけとなっています。
ワンストップサービスとは?
そもそもワンストップサービスとは、どこからどこまで、そしてどのようなサービスのことを指すのでしょうか。
通常中古マンションを購入してリノベーションをする場合、不動産会社で物件を探し、銀行で住宅ローン手続きをし、リノベーション業者を探して打ち合わせをする流れになります。
一方物件探しからローン手続き、売買契約からリノベーション、引き渡しまでトータルで行ってくれるのがワンストップサービスです。
ワンストップサービスのメリット
物件探しからリノベーションまで全て行ってくれるワンストップサービスですが、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
やり取りが楽
通常不動産会社や銀行、設計事務所といった多くの窓口を経由しなければならない手続きを、一本化することができます。
窓口が別の場合、現在の状況や物件の説明等をそれぞれの担当者に、毎回同じような説明をしなければなりません。
ワンストップサービスの場合色々な担当者とやり取りする手間や労力が省けるのがメリットです。
総額の予算で考えやすい
中古マンションを購入してからリノベーション業者にリノベーションを依頼すると、予定していた予算を超えてしまうことが非常に多いです。
なぜなら中古マンションの購入とリノベーション予算を別々に考えてしまう方が多いからなのです。
中古マンション契約後に、あれもこれもとリノベーション内容を加えていくと、簡単に予算を超えてしまいます。
しかしワンストップサービスであれば、初めからリノベーションを前提で全ての手続きを進めるため、工程や費用の把握が事前にできます。
そのため物件探しの段階からトータルの予算を意識して、手続きを進めていけるのがメリットとなります。
物件探しの時に、リノベーションがイメージしやすい
物件探しを一緒に行うのはリノベーションの専門家なので、物件内覧時にもリノベーションの説明を受けながら内覧することができます。
そのためリノベーションイメージを持ちながら物件選びをすることができるので、物件選びで失敗することが少なくなります。
後々リノベーション業者に相談した場合、希望する工事ができなかったりする場合もあるので、あらかじめ希望の工事ができる物件を選ぶことができます。
ワンストップサービスのデメリット
物件探しからリノベーションまでかかる手間を容易にしてくれて、リノベーションでの失敗を減らすことができるワンストップサービスですが、デメリットとなる部分もあります。
物件の資産価値が低くなりがち
ワンストップサービスを提供する会社の一番の利益となるのは、リノベーション工事での売り上げや利益になります。
つまりワンストップサービスでは、いかにリノベーション工事をして、費用をかけるかが重要になってきます。
そうするとトータルの予算の中で、リノベーションにかける費用割合を大きくしようとするため、自然と物件価格にかける予算が削られていくことになります。
物件価格の安いものは、基本的に資産価値が低い物件です。資産価値が低い物件を買ってしまうと、将来的に売却した際に、ほとんど資産価値がないと判断され大きな損をすることになってしまいます。
今の時代、将来的に子供の近くに引っ越す「近居」や「サ高住」への移り住みも多く、いつ物件を売却してその資産が必要になるかはわかりません。その時に備えて資産価値のある物件を選ぶということは非常に大切です。
ワンストップサービスの仲介手数料無料はお得?
ワンストップサービスを提供する会社で、仲介手数料無料という広告をよく見かけます。
仲介手数料が無料だからといって得をしているかというと、そういうわけではありません。
ワンストップサービス会社の利益はあくまでリノベーション工事です。そのため仲介手数料で無料にした分を、リノベーション工事費用に上乗せして回収しているのが実情です。
そのため仲介手数料が無料ということで安易に選んでしまうのは、注意が必要です。
別々で依頼した方が、手間はかかるがリスクは低い
物件購入とリノベーションを一度に手掛けてくれ、手続きを簡易化できるワンストップサービスは魅力もあります。
しかし将来的なことを考えると、今は資産価値があるかどうかで物件を選ばなければならない時代です。
将来を考えると、資産価値を第一に考えて物件選びをしてくれる不動産会社とリノベーション業者を掛け合わせるほうが、いい選択となるのではないでしょうか。
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