中古マンションの購入を考えて物件を探し始めると、市場には様々な築年数の物件があることに驚かれるこかもしれませんね。築3〜5年の新築と変わらないきれいなマンションもありますし、逆に築30年や築40年以上の物件もあります。
ここで、「築年数の古い中古マンションでも住宅ローンを組めるのか?」また「住宅ローンが組めたとして住宅ローン控除は利用できるのだろうか?」という疑問がわいてくるでしょう。
この記事では、中古マンションの築年数と住宅ローンの関係を詳しく解説します。また、住宅ローン控除が利用できる条件についても解説しますので、築古といわれるマンションの購入を検討しておられる方には、どんな物件を選べば良いか理解できるようになっています。
住宅ローンは中古マンションの築年数によって変わるか?
住宅ローンは、中古マンションの築年数に関係なく利用することができます。
なぜなら、各金融機関の申込み条件には、中古と新築の区別は設けていませんし、築年数の制限も書かれていないからです。
多くの金融機関の申し込み条件は以下のようになっています。
申込人の条件 | 1.申込時の年齢 2.安定した収入の有無 3.団体信用生命保険に加入できるか |
物件の条件 | 1.本人または家族が居住する物件 2.建築基準法およびその他の法令に適合している物件 3.ワンルームを除く(広さや居室の数を記載している例が多い) |
住宅ローンの借入年数は中古マンションによらない?
ただし、住宅ローンの申し込み後は、各金融機関の審査基準によって、借入期間や借入金額に制限が付く場合があります。
住宅ローンの審査には、申込みした人に融資して良いのかという「属性評価」と物件に融資金額にみあう価値があるのかという「担保評価」があります。
各金融機関は各自の審査基準を公開しておりませんが、経験豊富な不動産会社は、お客様の住宅ローン申し込みに頻繁にかかわりますので、日頃から各金融機関にヒアリングをして調査しています。
住宅ローンの借入年数については、第一に申込人の年齢(ローン完済時75〜80才)で判断しますが、マンションの築年数を考慮する金融機関もあります。
具体的には以下のような例があります。
- 60 - 築年数
- 55 - 築年数
- 50 - 築年数
また、借入金額についても、各金融機関によってマンションの担保価値の評価が違いますので、築年数が古いと希望する金額の融資が受けられないケースがあります。
旧耐震の中古マンションの注意点
また、築年数が古くなると、「新耐震」「旧耐震」の問題も絡んできます。
平成年代は大きな震災にみまわれましたし、南海トラフによる大地震の予測も取り沙汰されており、耐震性の関心は高いです。
銀行によっては取り扱わないところも
金融機関も担保評価を厳しくする傾向が出てきており、銀行によっては旧耐震の中古マンションには住宅ローン融資をしないとするところも出てきております。
フラット35は物件ごとに判断
次に、フラット35の適用条件を見ていきます。
フラット35は、銀行の住宅ローンに比べて、借入申込人の属性の審査は緩やかだが物件の審査は厳しいと言われています。
ただし、フラット35は銀行の住宅ローンと異なり、適用条件を公開しています。
適用条件は以下のとおりです。
基準項目 | 概要 |
接道 | 原則として一般の道に2m以上接すること |
住宅の規模 | 30㎡以上 |
住宅の規格 | 原則として2以上の居住室(家具等で仕切れる場合でも可)ならびに炊事室、便所及び浴室の設置 |
併用住宅の床面積 | 併用住宅の住宅部分の床面積は全体の2分の1以上 |
戸建型式等 | 木造の住宅は一戸建てまたは連続建てに限る |
住宅の構造 | 耐火構造、準耐火構造または耐久性基準に適合 |
住宅の耐震性 | 建築確認日が昭和56年6月1日以後であること (建築確認日が昭和56年5月31日以前の場合は、耐震評価基準などに適合) |
劣化状況 | 外壁、柱等に鉄筋の露出がないこと等 |
管理規約 | 管理規約が定められていること |
長期修繕計画 | 計画期間20年以上 |
「住宅の耐震性」の項目には、「建築確認日が昭和56年6月1日以降」と記載されております。そして、カッコ書きで、「昭和56年5月31日以前の場合は、耐震評価基準などに適合」とも記載されています。
つまり、原則は新耐震基準のマンションを対象とするが、例外的には旧耐震のマンションも融資対象になる場合があると言うことになります。
フラット35は「物件ごとに判断される」と覚えておいてください。
具体的にどのような場合なら旧耐震のマンションでも適用されるのでしょうか?
フラット35の耐震評価基準とは、
- 構造形式がラーメン構造と壁式構造の混用となっていない
- 平面形状が著しく不整形でない
- セットバックが大きくない
- ピロティ部分が偏在していない
と定義しています。
耐震基準の端境期の中古マンションには注意が必要
「新耐震」と「旧耐震」を区別する時期については、多くの方が勘違いされているこがありますので注意が必要です。
それは、「昭和56年6月以降に建ったマンションなら新耐震」という思い込みです。
あくまで、「建築確認日が昭和56年6月1日以降」であり、「建築確認日」で判断しなければならないのです。物件資料(マイソク)に建築日が昭和57年〇〇月と書いてあっても必ずしも新耐震のマンションではなく旧耐震のマンションが混じっているからです。
マンションは、建築確認日から建築完了するまで何ヶ月もかかります(概ねマンション1フロアー建築するのに1ヶ月ほどかかります)。したがって、建築日が昭和57・58年のマンションは端境期にあたります。
ここを間違うと、住宅ローン控除が利用できると思っていたのに使えないという大失敗をしてしまうので注意してください。
住宅ローン控除の適用条件を見ると
- 床面積50㎡以上で、そのうちの1/2以上が居住用
- 築25年以内
- (2を満たせない場合)耐震基準適合証明を受けている
となっています。
つまり、新耐震でなければ築25年以上のマンションは住宅ローン控除が受けられないのです。
ちなみに、建築確認日は建築確認済証か役所に保管されている建築概要書で確認できます。あなたの不動産会社・担当者(エージェント)に調べてもらいましょう。
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